MEMO

浅はかな雑記

きんとうか 司ルート感想

死ぬほど泣きました。(ネタバレにつき畳みます)


「ゆっくりお別れがしたいんだ」


司ルートは、おそらく誰もが持っている『この世で一番大切な存在を失ったら自分は一体どうなってしまうんだろう』という根源的な恐怖を、残酷なまでに丁寧に丁寧に描いた物語だった。

いやほんと…こんなつらい話が…ある…?恭愁宗ルートで散々「終わりが来るのが怖いから人に対して踏み込めない」という颯太の話を繰り返ししていて、だからこっちもそんな颯太の生き辛さを痛いほど知っているのに、ラスボス司ルートではまさにその恐れていた苦しみに真っ向から対面しなきゃならないっていう。
自分が生み出した、愛着もあるであろうキャラクターに対してこの仕打ち、都志見先生の残酷さに恐れ入る…😂
でもだからこそ、終わりが来るのを知りながら悲しみも苦しみも全て呑み込んで生きていく選択をした颯太の強さに胸が詰まってたくさん泣かされてしまった。
他にも良い言葉はたくさんあったので迷ったけど、「ゆっくりお別れがしたいんだ」は、ぐちゃぐちゃに泣いて叫んで荒れ狂った颯太が涙の果てにボロボロになりながら辿り着いた境地であり、颯太の弱さや強さや優しさが内包されたとても印象深い言葉でした。

それにしても司ルートでの声優さんの迫真の演技は本当にすごかった…もともとゲームより小説や漫画ばっかり読んでたのでテキストだけでも充分なんだけど、声が乗るって当たり前だけど感情を上乗せすることなんだな…。

終盤の、島の人達にひと夏だけ甦った司の存在を周知させる展開は、さすがにホエッ?!となったというか「アリなのそれは??」と一瞬思いましたが、ここが司ルートで司が救われてる唯一の瞬間なんですよね。なので現実感とかそういうの全部どうでもよくなるほど嬉しかった。
何より、この流れで恭愁宗それぞれが懺悔の対象に対して救いがあるのがとても良かったです。さらっと描かれてるけどそれぞれ納得出来る決着のつけ方で、とても鮮やかな手法だった…。

こういう展開があるならもしかして、万に一つの可能性で司と一緒に生きられるgood end来るか…?!と期待してしまったけど、当たり前だけどそれは叶わず。
でも物語の整合性としても個人的な好みとしても、最後まで安易な展開に逃げず誤魔化さず、真正面から司と颯太の背負った宿命に向き合ってしっかりとお別れを描ききってくれて良かった。本当に良いお話だった。司の最後のお願いが、躊躇したあげくの「忘れないでくれ」だったのももう本当に膝から崩れ落ちるほど泣いたわ。こんなん泣くだろうよ、もう。


見つめ合って、微笑む俺たちを、
どうか、誰も不幸と呼ばないで欲しい。

一生に一度の相手と巡り会えた。

俺たちは、幸せな恋人同士。




■司という人物

いや~~~~~もう…なんていうかもう……。
他のキャラは思い出す時に「恭ちゃん💓」「愁さん💓」「宗にぃ💓」というテンションでいられるんだけど、司だけは思い出すだけで「つ…司ァ~~~~司ァァーーーーー!!!😭😭😭😭」とひれ伏すしかないというか…とにかく大変な抉られ方をしてしまったので多分一生忘れられないキャラクターの一人になりそう。優しくて暖かくて弱くて強くて、何度も言うけど本当に神様みたいな人だった。

■各BAD ENDの話

司ルートのバドエン実は全部好み…。
特に心中エンドは、私の中ではある意味幸せなエンドだと思ってる。

「これは炎に飛び込んだ兎の恍惚だ。

あなたにすべてを捧げます。」

く…クゥ……。

あと翼エンドもな~~~!!翼が本当に実在してたっていうのと、顔がそっくりで中身が全く違う虚無感や絶望感が良かった…。

■愁さん大変すぎる

地味に司ルートでの愁さんはめちゃくちゃ大変な事になってましたよね…血吐いて髪の毛吐いて花びら吐いて胎児の指吐いたあげくに目も耳も聞こえなくなるってアータ…😂😂人でなしすぎるけどそんな受難かぶりまくり愁さんにちょっとだけ萌えてしまった。あと渡利兄弟が可愛くて可愛くて可愛くて!!!
司ルート全体的にしんどくて常にヒィヒィ言ってたけど、だからこそなのか渡利家ギャグが冴え渡っててすごく面白かったです…どんな緊迫した展開の中でも何故か消せない路夫さんの(良い意味で)テキトーさと、恭の健全な雰囲気に癒されてました。

■そういえば宗ルートの話だけど

てっきり宗の女装スチルあると思って勝手に楽しみにしてたな…宗ルートの最中は展開が苦しすぎて忘れていたけど。男らしさの具現化みたいな宗定の神聖な女装なんて絶対にイイと思う…見たかった…


後半脱線したあげくに最後まで感情的な感想しか書けなくてすみません😂とりとめなくその時思い浮かんだ事を書いていたので、正直まだまだ語り足りない事はいっぱいある…。なので今後ももしかしたらきんとうかについてぽつぽつブログ書くかもしれません。
平成最後の夏にプレイ出来て良かった。すごく良いゲームでした。
ファンブック楽しみだしファンディスク熱望しています。